サービスとしてのインフラ(IaaS)とは?
人気のシチュエーション・コメディ『シリコンバレー』のエピソードでは、主人公は、トラフィックの劇的な増加のために、「スタートアップ・インキュベーター」(ガレージのこと)でサーバーを管理するのに苦労していました。
IT 分野に長らく携わった経験があれば、限られたリソースで柔軟性のない環境を管理した経験を思い出すかもしれません。幸いなことに、これは、サービスとしてのインフラ(IaaS:インフラ・アズ・ア・サービス)の台頭により、主に過去の問題となっています。
サービスとしてのインフラ(IaaS)
サービスとしてのインフラ(IaaS)とは、ストレージ、コンピュート、ネットワークなどのリソースを、IaaS プロバイダを介してインターネット上で必要に応じて利用できるクラウド・コンピューティング・モデルです。IaaS は、IaaS プロバイダのデータセンターにインフラのニーズを外部委託することを可能にします。
インターネットの初期には、サービスをオンラインにするために独自の社内インフラに頼らなければなりませんでした。今日、IaaS プロバイダは、大規模なグローバル・データセンターのおかげで、企業がデジタル・プレゼンスを数分で立ち上げることを可能にしています。Netflix のような大企業でも、デジタル・インフラは IaaS プロバイダに依存しています。
IaaS 環境が提供する 3 つの主要なコンポーネントは、次のとおりです。
- インフラのための物理的な構築
- 物理サーバー:ストレージ・スペースと処理能力に分割可能
- ネットワーク・ファイアウォールとセキュリティ
IaaS を使用する理由
物理インフラをセットアップする必要がないという利便性は明白な利点ですが、考慮すべき他の多くの利点があります。
資本要件
インフラ全体のセットアップには、多大な労力と資本が必要です。デバイスや機器の購入、設定、保守が必要です。また、設備を保管・保護するための設備費もかかります。
IaaS プロバイダは、これらの費用を負担します。したがって、消費するリソースに対してのみ支払うことができます。これは、ネットワーク・インフラ全体のセットアップにかかるコストのほんの一部になる可能性があります。その結果、IaaS では、最小限の CAPEX(設備投資)要件でデジタル・サービスを開始できます。IaaS 企業の中には、無料のサービス・レベルを提供している企業もあります。プランの上限を超えるリソースを使用する場合のみ、支払いが行われます。
スケーラビリティ(拡張性)
スケーラビリティは、IaaS の大きなメリットです。これは、サービスが大量採用レベルに達する時期を予測することができないため、スタートアップ企業にとって特に重要です。スタートアップ企業が独自のインフラを構築しなければならない場合、最初は十分に活用されません。スタートアップ企業がトラフィックの急増(インフルエンサーから言及を受けた後など)を経験した場合、そのサーバーはそれを処理できない可能性があります。
容量を増やすには、インフラを拡張する必要があります。そのためには、時間、資本、IT リソースが必要です。それらは多くの企業、特にスタートアップ企業にとって不足しているものです。
一方、IaaS では、サービスを迅速に拡張できます。IaaS でアプリケーションを設定することで、リソースを需要に応じて自動的に拡張できます。需要が減ると、リソースはそれに応じて縮小します。これにより、顧客へのサービスが常に提供されるだけでなく、消費されたリソースに対してのみ支払うことができます。
セキュリティ
ベンダーが提供するインフラの利用は、本質的に安全ではないという誤解があります。そうではありません。実際、他社のデータのホスティングに関連するリスクを考えると、IaaS プロバイダは、デジタル・インフラを監視するための最高のサイバーセキュリティ・プロトコルと専門家を備えています。信頼できる IaaS プロバイダが提供しているのと同じレベルのセキュリティを提供しようとすると、個々の企業にとってはコストがかかりすぎます。
IaaS プロバイダのセキュリティ・コストは顧客ベースに分割されるため、個々の企業では総コストのごく一部しか発生しません。ただし、IaaS プロバイダはインフラのセキュリティのみを担当していることを念頭に置いておく必要があります。アプリケーションやプラットフォームのセキュリティは、管理者として管理されます。
バックアップとリカバリ
ほとんどの IaaS プロバイダは、データやその他の設定を定期的にバックアップするオプションを提供しています。リスクを分散するために、バックアップをさまざまな場所に保管します。その後、保存されている任意のイメージからリカバリできるため、サービスの全体的な信頼性が向上します。最悪の場合も、最後のバックアップからデータを復元できます。
地理的な広がり
インターネット・サービスは、ユーザーに近いサーバーで実行することで高速化します。これは、低遅延を必要とする取引やゲーム・アプリケーションに特に当てはまります。
IaaS では、プロバイダのサーバー・ネットワークを介して、異なる場所から異なるユーザーにアプリケーションを配信できます。多くのプロバイダが、世界中の地理的なカバレッジを提供しています。これにより、顧客ベースの場所に基づいて、アプリケーション用のサーバーを選択できます。
フォーカス
IaaS プロバイダは、インフラの構築と保守を担当しているため、IT チームはより優先順位の高い取り組みに集中できます。IaaS プロバイダは、堅牢なインフラ・ソリューションを提供することに重点を置いています。優れたソリューションの開発と提供に専念できます。
IaaS の仕組み
IaaS サービス・プロバイダは、デジタル・インフラに必要なハードウェアとネットワーク・セキュリティを高いレベルで提供します。その後、アプリケーションの構築に最適なプラットフォームを実装できます。プラットフォームのニーズにあわせた PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)ソリューションや、必要なソフトウェア機能に応じた SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)アプリケーションの統合が可能です。
IaaS パートナーが提供するアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を介して、インターネット経由でインフラと直接通信できます。このプロトコルを使用して、IaaS サーバーでストレージと処理能力にアクセスし、活用できます。また、需要や指定した他のパラメータに基づいて、リソースをプログラムで展開することもできます。多くのプロバイダは、サーバーのパラメータを変更するために使用できるグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を提供しています。
IaaS のためのピュア・ストレージ
IaaS プロバイダは、信頼性が高く、高速で効率的なサービスを顧客に提供できなければなりません。これには、ストレージ要件の達成から、ネットワーク・インフラのセキュリティの確保まで、あらゆることが含まれます。
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